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不動産売却で必要な査定書とは?書類の見方や見るべきポイントを解説

不動産

ユキ地物 WEB担当者  

筆者 ユキ地物 WEB担当者  

不動産キャリア42年

不動産売却で必要な査定書とは?書類の見方や見るべきポイントを解説

不動産を売却する際、不動産査定書が必要だと知らず、どういった書類なのかも知らない方も少なくありません。
また、書類を用意できたとしても、どういった点に注意して見ればいいのかを知らずに、トラブルへ発展してしまうケースも多くあります。
この記事では、不動産査定書とはどのようなものか、書類の見方や重点的に見るべきポイントについて解説していきます。

不動産査定書とは?

不動産査定書とは?

土地や建物を売る際、不動産会社に依頼してどのくらいの価格で売れるのかを出してもらう方法が査定です。
査定結果を基準に売り出し価格や最低売却価格を決めるため、査定額などの情報の確認は重要になってきます。
物件や土地の売り出し価格を決める際などに必要となる書類とは、どのようなものなのか知っておきましょう。

不動産査定書って何?

物件などの査定は不動産会社か不動産鑑定士のどちらかに依頼する必要があり、査定結果を伝える目的で作成される書類です。
査定結果や査定額の根拠など、依頼した方が知りたい、さまざまな情報を確認できる書類です。
査定書には2種類あるため、書類ごとの違いを把握しておかないと、どちらを利用すべきか判断しにくくなってしまうでしょう。

不動産会社が作成する不動産査定書

売却を検討している方が不動産会社に仲介を依頼する際、どのくらいで売れるのか価格を知る目的で査定を依頼します。
不動産会社の査定は無料でおこない、書類の作成も無料となっており、売り出し価格の決定などで役立ちます。
注意が必要なのは、利用目的は売却に限られており、売主以外は利用できない点です。
査定してから実際に書類が作成されるまでの期間は、おおよそ1週間が目安となっています。
離婚の財産分与など、公的な場に提出しなくてはいけないケースでも利用できない点にも注意しなくてはいけません。

不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書

専門の鑑定事務所に査定を依頼する場合、査定は有料になってしまう点に注意してください。
通常は、不動産鑑定評価書と呼ばれる評価書が作成されますが、売主が希望すれば不動産査定書を作成してくれます。
裁判などの公的な場で使用する場合は、不動産鑑定評価書が必要となるため注意しましょう。
ただし、鑑定事務所によって作成された書類は、M&Aなどで利用されるケースが多く、個人の売買ではほとんど利用されません。
手数料の目安としては、20万円から30万円が基準となり、作成までは1週間以上かかる点にも注意してください。

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不動産査定書の見方

不動産査定書の見方

土地や建物の売却を進めていくには、査定書の情報を見て、最低売却価格や売り出し価格を決めなくてはいけません。
しかし、書類の見方を知らないと、書類の内容を確認できず、売り出し価格の決定がスムーズにできない可能性があります。
どういった内容が書かれているのか、何を見ればいいのかを把握し、書類の内容から売り出し価格をスムーズに決定できるようにしておきましょう。

書かれている項目

査定書に記載されている項目は、査定物件の概要を示しており、多くの項目があるのを知っておきましょう。
住所や面積、駅までの距離などの情報だけでなく、土地や建物の用途など売り出し価格を決めるのに必要な情報も多く載っています。
マンションならばマンション名なども記載され、さらに築年数や建物の構造など細かな情報も確認可能です。
また、査定エリア近隣の成約事例や売り出し事例も記載されていて、売り出し価格を決定する際の参考にできます。
そして、売り出し推奨価格も書かれているため、いくらから売り出せばよいかわからないという方も安心です。

査定価格

物件を査定した側が、どのくらいの価格で売却できるかを提示した価格です。
査定価格は面積や流通比率から算出され、売りに出そうとしている物件や土地のだいたいの価値がわかります。
注意してほしいのは、あくまで査定を依頼した会社がこのくらいで売れると提示する価格であり、査定額そのままで売れるわけではない点です。
査定書には上限価格と標準価格、下限価格の3種類が記載されている場合もあります。
売り出し価格を決める際には、記載されている査定価格を細かく見て、どのくらいの価格なら売れるのかを判断しなくてはいけません。

査定価格の根拠

査定書の見方として重要なポイントが、査定価格の根拠です。
どうしてこの査定価格になったのか、査定した会社の根拠が書かれており、売り出し価格を決める重要な要素になってきます。
査定した場所の周辺環境や交通の便、隣地の状況など多くの情報から査定額は決定され、会社によって根拠も違います。
どのような要素がプラスやマイナスになったのかがわかりやすく、査定額を算出した計算式が書かれているなど、査定額について細かな情報を知りたいなら注目してみましょう。
査定価格の根拠を見ないでいると、売りにくい要素を考慮せずに売り出して、購入希望者が見つかりにくくなってしまう可能性が高まります。

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不動産査定書で重点的に見るべきポイント

不動産査定書で重点的に見るべきポイント

査定価格や査定額の根拠など、さまざまな要素が記入されている書類は、見るべきポイントを知らないと正確な情報が把握しにくいです。
どのポイントを重点的に見るべきなのかを把握していれば、売却する価格決定などの際に便利です。
売り出し価格を決めるのに重要な書類だからこそ、どこを見るべきか把握し、正確に情報を読み取って役立ててください。

総額

不動産の査定額は、1円単位で表示されず上3桁または上2桁で表示されるケースが一般的です。
売り出す土地や物件の査定を依頼する際、複数の会社に依頼しているなら、総額に注目して比較しなくてはいけません。
記載されている総額は会社によってさまざまで、売り出し価格を決める際に、より売れそうな価格を決める際に便利です。
査定額は高めの価格と低めの価格が記載されている場合も多く、高めの価格だけでなく低めの価格も確認しておきましょう。
現在住宅ローンを利用していて、物件を売ってローン返済を計画しているなら、低めの価格で売ってもローン返済が可能かどうか確認すると安心です。
また、低めの価格を確認しておけば、どのくらいまで価格を下げるべきか判断する目安にもなります。

流通性比率

流通性比率は査定した物件の売りやすさをあらわした指標で、1を基準として売りやすいなら加点され、売りにくければ減点されます。
流通性比率が1より高くても低くても、どうしてそうなったのか査定を依頼した会社に問い合わせてください。
また、比率の上限は1.1で下限は0.85となっているのも知っておけば、記載されている流通性比率が正しいものかどうか判断しやすくなります。
流通性比率の根拠を確認すれば、査定を依頼した会社が、査定した物件をどのように売れるのかを判断しているのかわかります。

見やすさも注目すべきポイント

不動産査定書の見やすさも、注目すべき重要なポイントです。
書類を見やすく作成できる会社は物件などを売却する際に、わかりやすい広告が作成できるデザイン性に優れた会社の可能性が高いです。
広告は売り出している建物や土地の魅力をうまく伝えるのに大切な手段のため、情報が伝わりやすいデザインの広告を作成できれば購入希望者も見つけやすくなります。
複数の会社へ査定を依頼していれば、会社ごとに書類の見やすさは異なるため、より信頼して売却の仲介を任せられる会社選びにも役立つでしょう。

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まとめ

不動産査定書とは、物件の売却を検討しており、不動産会社などに査定を依頼した際に受け取れる書類です。
査定書には、さまざまな情報が記載され、見方や注目すべきポイントを知っていると、自分で売り出し価格を決める際に重宝します。
複数の会社に依頼すると、内容を比較できて、より精度の高い情報を把握できるため、売り出す前に査定を依頼するなら複数の会社に依頼しましょう。


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