不動産売却時に必要な固定資産評価証明書とは?用途や取得方法も解説の画像

不動産売却時に必要な固定資産評価証明書とは?用途や取得方法も解説

不動産

ユキ地物 WEB担当者  

筆者 ユキ地物 WEB担当者  

不動産キャリア42年

不動産売却時に必要な固定資産評価証明書とは?用途や取得方法も解説

不動産売却では、さまざまな書類が必要になりますが、そのなかでも重要な書類が「固定資産評価証明書」です。
固定資産評価証明書は、不動産の価値の目安が把握できるほか、税金を計算する際にも必要となる書類です。
そこで、固定資産評価証明書とはなにか、またどんなときに必要となるか用途や取得方法・必要書類を解説します。
不動産売却時の必要書類が知りたい方は、ぜひご参考になさってください。

不動産売却で必要な固定資産評価証明書とは?

不動産売却で必要な固定資産評価証明書とは?

不動産売却で必要な書類の1つに「固定資産評価証明書」があります。
固定資産評価証明書とはどのような書類で、何が記載されているのか見ていきましょう。

固定資産評価証明書とは

固定資産評価証明書とは、不動産(土地や建物)などの固定資産の評価額を証明する書類のことです。
この書類を見れば、不動産の価値がどのくらいあるのか目安を知ることができます。
また、記載されている金額をもとに固定資産税を計算することも可能です。
つまり、固定資産税額の根拠となる書類というわけです。
このように、固定資産評価証明書は、不動産の価値を把握したい場合や、固定資産税など各種税金を計算する際に役立ちます。

記載内容

固定資産評価証明書には、所有者や評価額などが記載されています。
具体的には、以下の内容を把握することができます。

●不動産の所有者の氏名、住所
●建物の家屋番号・建物番号、構造・規模、床面積、敷地権(区分所有建物の場合)
●土地の地目、地積(面積)、持分
●土地・建物の固定資産税評価額(固定資産税を決めるもとになる金額)
●土地・建物の課税標準額


なお、固定資産評価証明書に記載されている内容は、原則として固定資産課税台帳に記されているものと変わりません。

固定資産課税明細書とは何が違う?

混同される書類に「固定資産課税明細書」があります。
固定資産課税明細書とは、課税額の内訳が記載された書類のことで、その明細を納税者に伝えることが目的の書類です。
つまり、土地など課税対象とならない資産については、記載されていません。
一方で、固定資産評価証明書は、土地を含めた所有している物件すべてが記載されています。
また、固定資産課税明細書は、評価証明書と異なり申請をしなくても年1回郵送で送られてくる点も異なります。

▼この記事も読まれています
不動産売却で使える3000万円控除とは?税金対策の特例と要件を解説

不動産の固定資産評価証明書の用途とは?

不動産の固定資産評価証明書の用途とは?

続いて、固定資産評価証明書は、主にどんなときに必要になるのか用途を解説します。
主な用途としては以下の3つが挙げられます。

●登録免許税の算定
●相続税や贈与税の申告時
●訴訟に関与したとき


それぞれのケースについてご説明します。

用途①登録免許税の算定

固定資産評価証明書が必要なケースとしてまず挙げられるのが、不動産登記にかかる登録免許税の算定時です。
登録免許税は、不動産を登記する際に課税される税金で、不動産の価額に所定の税率を乗じた金額となります。
譲渡(売却)や相続、贈与などで不動産の名義を変更する「所有権移転登記」をおこなう必要があります。
不動産の所有者が変わっても、自動的に登記上の所有者が変更されるわけではありません。
そのため、売買や相続などで所有者が変われば、ご自身で変更手続きをする必要があるのです。
その際にかかる登録免許税を算出するために、最新の固定資産評価証明書が必要となります。
また、住宅ローンを完済した際も抵当権を抹消する手続きが必要で、その際も固定資産評価証明書を提出しなければなりません。
このように、不動産を取得したときや不動産の所有者の名義を変更する際には、不動産登記が必要になり、併せて固定資産評価証明書の添付が必要です。

用途②相続税や贈与税の申告時

相続税や贈与税の確定申告時にも固定資産評価証明書が必要です。
相続税や贈与税は、原則として財産を譲り受けたときの時価をもとに税額を計算します。
しかし、不動産の時価を求めることは困難であるため、国税庁は相続税や贈与税を計算するときの不動産の評価方法を以下のように定めています。
土地の場合
国税庁が定める路線価図に記載がある宅地の場合は、「土地の評価額=1㎡あたりの路線価×面積」で算出します。
一方で、路線価図にない宅地や農地、山林の場合は、固定資産評価額に所定の倍率を乗じた値を土地の評価額としています。
家屋の場合
家屋は、固定資産評価額で評価します。
そのため、相続した遺産や贈与された財産に固定資産税評価額を使って評価するものがある場合は、確定申告時に固定資産評価証明書を添付しなければなりません。

用途③訴訟に関与したとき

不動産に関する訴訟をおこなう場合は、不動産価格を明確にするために固定資産評価証明書が必要になります。
また、以下のようにケースごとに提出すべき年度が異なるため注意が必要です。

●不動産の登記申請:申請日の年度の証明書
●相続税の確定申告:相続開始年度の証明書
●贈与税の確定申告:贈与を受けた年度の証明書


なお、過去5年よりも前に遡る固定資産評価証明書を入手することは困難なため、できるだけ早く準備しておくことが大切です。

▼この記事も読まれています
不動産売却における査定の重要性とは?相場の調べ方や査定方法について解説

不動産の固定資産評価証明書の取得方法

不動産の固定資産評価証明書の取得方法

最後に、固定資産評価証明書を取得する方法や必要書類について解説します。
必要書類は、本人が取得するかそうでないかで異なるため、事前に確認しておくとスムーズに対応できるでしょう。

取得方法

固定資産評価証明書を取得するには、各市区町村の担当窓口にて取得することが可能です。
担当の課に申請書と必要書類を添付して取得します。
なお、自治体によってはコンビニで取得できる場合もあります。
また、郵送にて取得することも可能です。
郵送の場合は、市区町村のホームページから申請書をダウンロードして、必要書類と返信用封筒、手数料分の郵便定額小為替を同封して送ります。
ただし、郵送の場合は手元に届くまでに1~2週間かかるため注意しましょう。

必要書類

固定資産評価証明書を取得できるのは、原則として本人もしくは同居する家族に限られます。
ただし、それ以外の方でも取得することは可能ですが、その際は証明書を取得する権限があることを示す書類が必要になります。
本人が取得する場合
本人が取得する場合は、固定資産評価証明等交付申請書、本人確認書類(運転免許証)、手数料が必要になります。
申請書には認印の押印が必要です。
また、手数料は発行する証明書の種類や部数によって異なりますが、およそ1件について数百円となります。
なお、一戸建てのように土地と建物がある場合は、それぞれ1枚ずつ書類が必要なため注意しましょう。
本人以外が取得する場合
本人以外が取得する場合は、申請書のほかに、申請者の本人確認書類、所有者本人との関係がわかる住民票や戸籍謄本が必要です。
また、代理人の場合は、所有者本人が署名した委任状も提出しなければなりません。
相続人の場合は、被相続人の住民票の除票などの書類や、相続関係が確認できる戸籍謄本や遺産分割協議書、手数料が必要になります。
所有者が法人の場合
所有者が法人の場合は、申請書、申請者の本人確認書類、手数料以外に、法人代表者の印または代表者印のある委任状が必要になります。

▼この記事も読まれています
不動産売却のタイミングに季節は関係する?市況や税金の影響なども解説

まとめ

固定資産評価証明書は、売却や相続、贈与などで固定資産の所有者が変わる際に必要となることがあります。
また、不動産の評価額を証明するために必要であり、固定資産税を計算する際の根拠となっています。
必要なときにスムーズに対応できるように、用途や取得方法についてあらかじめ確認しておくと良いでしょう。


”不動産”おすすめ記事

  • 岩国市の不動産売却どうする? 方法を詳しくご紹介の画像

    岩国市の不動産売却どうする? 方法を詳しくご紹介

    不動産

  • 不動産の分筆とは?売却時におこなうメリットやデメリットをご紹介の画像

    不動産の分筆とは?売却時におこなうメリットやデメリットをご紹介

    不動産

  • 不動産売却が長引く原因は?原因や対処法を解説の画像

    不動産売却が長引く原因は?原因や対処法を解説

    不動産

  • 岩国市の頼れる医療機関!さまざまな診療科が揃う岩国医療センターをご紹介の画像

    岩国市の頼れる医療機関!さまざまな診療科が揃う岩国医療センターをご紹介

    不動産

  • 不動産売却で必要な査定書とは?書類の見方や見るべきポイントを解説の画像

    不動産売却で必要な査定書とは?書類の見方や見るべきポイントを解説

    不動産

  • 相続における不動産の共有持分とは?できることやトラブル事例をご紹介の画像

    相続における不動産の共有持分とは?できることやトラブル事例をご紹介

    不動産

もっと見る